ジョジョ3部小説OVER HEAVEN読んだ感想

今さらですがジョジョ3部の小説を読みました。


↑これね。
アニメで5部に再びはまって随分遅いミーハーを発動。

ジョジョの小説は
3部 OVER HEAVEN
4部 TheBook
5部 恥知らずのパープルヘイズ
の3冊が出てるのは知っていましたが、読むのはこれが初めて。
また、OVER HEAVENはディオが記録として残したノートだから、小説ってよりもディオの日記を読んでいる感覚であっという間に読み終わりました。

感想を結論から書くと、この本を読んでディオをもっと好きになりました。
「天国へ行く方法」を信頼出来る友に伝える為にディオが書き残したノート。
その説得力の為に、そこに辿り着いた経緯としてジョナサンと過ごした1部の回想と、迫りくる承太郎達を迎え撃ちながら天国への行き方を探す3部をディオ側の視点から書いた手記。
ディオ亡き後、承太郎が中身を確認、燃やす→プッチ神父が承太郎の記憶DISCから内容を確認し天国を目指したあの本を復元したって程の本です。

冒頭に、燃やされた本を復元した経緯について、復元をした著者からのメッセージが書かれていますが、その際に東方仗助でも完全には復元する事が出来ない程に―との記述が!
更に復元作業の際、現在承太郎が記憶を失い昏睡状態にあるって書いてあるところから、ホワイトスネイクから受けた体のダメージを治したのは仗助だったのかな?なんて妄想も膨らみます。

さてさてこの本、読み進めていくとミステリアスだった3部ディオ(DIOと書くべきかな)の人間味をたっぷり味わえる。吸血鬼だけど。
世界征服、人間の頂点といった悪の目標と言ったらコレってやつは卒業して、エンヤ婆にばれないように、ジョースター達に邪魔されないように、天国への行き方を探している。
なんだか猛烈に主人公っぽいんだよね。
『受け継ぐ者』であるジョースター家と、『奪う者』であり天国に行きたいディオを、ディオ側の視点で読むと最早応援せざるを得ないくらい好きになる。
終盤、エリナ・ジョースターに関する考察と母の言葉、またしても出てくる「天国」のキーワード。
そして最後の一文を読んで、どうか勝って続きをお願いしますって気持ちになる。
そんな素敵本でした。

どこで見たのか忘れたけど、ラスボスがちょいちょい出てくるとそっちに目がいってしまうから3部ではディオは最後まで殆ど登場させなかったって感じの文章を読んだ記憶があります。

ちょっと怪しいので念の為、魔法の言葉を加えて書き直します。

どこで見たのか忘れたけど、ラスボスがちょいちょい出てくるとそっちに目がいってしまうから3部ではディオは最後まで殆ど登場させなかったって感じの文章を読んだ記憶があります。知らんけど←これ最後につけとけば記憶違いもきっと許される。

それもあってか3部のディオってミステリアスだったんですよね。
そんな彼の心情が逐一書き留められているから、ミステリアスどころか人間味溢れてて、無駄かもしれないけどチャレンジしてみたり、そんな姿を見せられて好きにならねぇ奴はいねぇ。
そして一体どこに?と思うけど何故か共感している気分になっているのです。
これは、幼少期からの経験を読んだが故か、DIOのカリスマ故でしょうか。悪には悪の救世主が必要なんだぜ。

そんなディオを好きになっちゃう場面を少し紹介。

「ジョースター家の守護神、慈愛の女神に貫かれ―わたしは焼かれたのだった。」

↓と、書いた翌日の記録が

「昨日の記述を見て恥ずかしくなる。わたしは一体何を書いているつもりなのだ。文学かなにかか?」

感傷的になったり、自分に言い聞かせたりと心の動きを逐一書いてくれるディオ。

「大半の部下を失った今、ポルナレフが戻ってきてくれればあり難い!交渉次第では味方に引き入れられるかもしれない!
次のページを書くときに、いい報告ができる事を願う」

↓次のページ

「駄目だった。」

最早読む人、プッチを笑わせようとしてるんじゃないかって構成を繰り出すディオ。

そうだ!ジョースター家と協力するという選択肢はどうだ?
もしかしたら協力関係になれるかもしれない!

↓からの

いやダメだ。そもそもホリィを救う方法が無いのだ。

もうダメ、愛くるしすぎる。

この本で一番好きな一文をご紹介。

「女ひとり助けるために、どこまでやるつもりなのだ、連中は―それとも、悪党の命は、聖なる女に比べて『安い』とでもいうのだろうか?」

読んでる最中はさ、凄いディオ側の視点でいるから、ホントだよ!何人仲間を殺すんだよ!って気持ちでいたけど、全員承太郎たちを殺しに行って返り討ちにあってるんだよね。
でもそれは承太郎達がディオを始末しに行ったからで…。

でもそれはホリィがスタンドの影響を受けて死にそうだからで…。

でもそれはディオが望んで攻撃してるわけじゃないわけで…。

この戦わざるをえない運命感ね。引力か。
本では、協力関係を結べないかって話のところで、お互いの存在自体が許せないのだろうって書いてましたね。

いま5部がアニメ放送しているから5部の話題も一つ。
エンヤ婆が鏃を買い取った相手について考察するところで、ディアボロについてもディオは言及していましたね。
「その少年と、わたしの間に引力があれば―きっと会えるはずだ」
って。
実際は息子のジョルノがその引力を引き継ぎましたね。

ジョルノがパスケース?にDIOの写真を入れていた以外に二人の関係って描かれていないですし、こういった形でもなんだか嬉しかったり。
6部でも、引き寄せられて近くまで来ていたらしいし、DIOの息子が続々と集まって来たとき、ジョースター家とDIOの因縁を終わらせるのは両方の血が流れるジョルノだと思っていたんだけどなぁ。
と、話が本からどんどん離れていくからここらへんで。

最後に、わたし自身忘れないように、この記事そのものに傷として刻みつけておこう。

『36名以上の罪人の魂』
『14の言葉』
『心から信頼できる友』
『ザ・ワールド』
『北緯28度24分、西経80度36分』
『次の新月を待て』

『らせん階段』
『カブト虫』
『廃墟の街』
『イチジクのタルト』
『カブト虫』
『ドロローサへの道』
『カブト虫』
『特異点』
『ジョット』
『天使』
『紫陽花』
『カブト虫』
『特異点』
『秘密の皇帝』