恋するA♡I探偵 読んだ感想

ドナ・アンドリューズの恋するAI探偵読みました

感情を持った女の子で人工知能のチューリングが自身の開発者であり、最近行方不明になってしまったプログラマーのザックを探すお話

ザックに恋心まで芽生えていて、健気で一生懸命で真直ぐなチューリングに読んでいてどんどん惹かれていく小説でした

人が眠った後の夜中等、チューリングの心の文、考えている事が太字で書かれているんだけど、そこが読んでてすごく面白い
「こうしてみようかな!でもダメかもしれない!あぁどうしたらいいの!」
みたいな、何でも出来る高性能人工知能が感情を持ったことで思い悩む描写が、読んでて成長していく様は少年少女冒険譚的でそんなギャップがよりチューリングを好きにさせます



表紙はイメージで、完全人型のアンドロイドが街を闊歩して情報を集めて推理してザックを探すんじゃなくて、チューリングはコンピュータの中の存在です
現実世界での行動は信頼の置ける友人二人に任せて、チューリングは人間には出来ない大容量のデータを一晩でチェックしたり、社内カメラの情報を監視して情報収集したりとその様子は安楽椅子探偵みたい

途中、どうしてもザックとコンタクトを取る為に自身を外部の移動可能なコンピュータに転送する必要に駆られます
今までは会社内の無限にも思われるメモリやデータベースが自身の一部であったチューリングが、手作りの小容量デバイスに自分を転送する
自分という存在が居なくなってしまうかもしれない、感情を持っているのは私自身だけどそれは転送した先でもそうなのか?
そんな恐怖の心情は読んでて緊迫感がありました

人間だって記憶が脳にあるにしても、心がどこにあるかなんてわからないからね
心臓移植でドナーの記憶が―みたいな世界仰天ニュース見ると記憶すらどこに保存されてるかわからないしね

無事転送後も自分が自分である事を確認した後のチューリングはずっとかわいい
移動デバイスに取り付けられたカメラで、動くものすべてを物珍しく観察するチューリングが愛らしくて仕方がありません
エレベータのドアがチンと鳴った事に驚いて全てのカメラが勢いよく前を向いたり(笑)

この小説、なんと2002年に翻訳された本でした
クラインの壺の出版年ほどじゃないけど、驚きました
AIが感情を持って、系の映画は昔からよくあるけど、社内システムにAIが常駐している・電子書籍より紙の本が恋しい―とかちょっとした設定がなんだかここ最近でも全然違和感ない設定だったからもっと新しいと思って読んでました

そしてこの恋するAI探偵ですが、人工知能チューリング・ホッパーシリーズとしてあと3作でてます
wikiによると―
恋するA・I探偵 You’ve got Murder (2002)
Click Here for Murder (2003)
Acces Denied (2004)
Delete All Suspects (2005)
―from wikipedia

続編の3作が翻訳されていないッ!!!
面白かったから続きも読みたかったし、なにより



↑裏表紙の解説で人気作家の新シリーズ第一弾って書いてあったから、読んでる最中から
「これ続編もあるのか楽しみだなぁ」って思いながら読んでたのでショックが大きい…

これはもう、ラダーシリーズを読み、学び、自分を成長させる時なのでしょうか
洋書が当たり前の様にスラスラ読めるってカッコいいよね
カッコいいけどさ…

翻訳されないかなぁ


ではでは、この小説が好きな人・好きになる人が好きだと思う好き好き好き作品を紹介


イヴの時間


言わずと知れた名作
本物の人間と見分けがつかない人間型ロボットと人間の違いとか、関わり方を未来、たぶん日本―を舞台に描いた非日常な日常ものアニメ
静かにオシャレな時間が流れる素敵アニメだよ

her/世界でひとつの彼女


主人公が人工知能型OSのサマンサに恋しちゃう映画
これ、吹き替え版がおすすめです
サマンサの声が林原めぐみさんです←コナンの灰原さんね
この声がすっごくよくて、こんなOS欲しいって思う←ヘイサマンサ!って呼びたい
恋するAI探偵もチューリングの声を最初はsiriで想像してたんだけど、段々人間味あふれて愛らしくなるに連れていつの間にかサマンサ(林原めぐみ)の声で想像していました

エクス・マキナ


世界最大のインターネット会社社長の大金持ちが理想のスーパー美人AIと別荘で暮らしてる
そんな別荘に社員の一人が1週間滞在する事になって、美人AIと対話をして惹かれてしまって…ってお話
あまり後味が良い映画じゃないと思うけど、AI+恋愛感情で何か探してるなら見ても良いと思う
あと、女性の裸が沢山でてくるんだけど、AIだから?なのか全然エロくない
セクシーだけどね

クラインの壺-岡嶋二人


AIではないけど、この時代にこんな小説があったなんて!を体験したい方におすすめ!
1989年に出版された小説ですが、テーマがなんと仮想現実
VRが現実味を帯びてVRが題材の小説が沢山出ているいま読んで最高に面白く、”当時読みたかった!!”と思う事請け合い!


チューリングみたいな愛らしい探偵が登場する本なにかないかなぁって思い出してみたんだけど、探偵って結構男が多くない?
神麻嗣子の超能力事件簿シリーズが可愛らしい探偵役って事で紹介できるかな?って思ったけど探偵役は保科さんだったわ(∵`)


以上、AIと暮らす未来まで生き延びたい井戸端でした