結構前に友達が友達に「良かったよ」って話してるのを盗み聞きして、気になっていた本でした
てことでネタバレしないで感想書きます
あらすじ
余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことに決めた。
そこでは毎週日曜日、入居者がもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があった―。
毎日をもっと大切にしたくなる物語。
↑というあらすじがamazonで見ると読めるのですが、私は前知識無しで手に取ったため、読む前は動物園がテーマの小説かな?
くらいの気持ちで読み始めました
(一番初めにライオンの家のマドンナからの手紙で始まったため、これは孤島+謎の館+名前を隠す宿主…ミステリか!?なんてチラっとよぎった)
少し読み進めて、あ、動物園じゃない…ホスピスが舞台のお話だ…
と、ちょっと心構えしましたが、レモン島で過ごし始めた雫の日々は、これから迎える死への恐怖ではなく、
残された日々を穏やかな環境で、嬉しい出会いや気づき、たくさんの温かい言葉と共に過ごす描写が多くて、読み終わるまでの道中何度も爽やかな気持ちにさせてくれます
おやつの時間もそうですが、朝のお粥が美味しそうでたまりませんでした
(→お粥食べたくなった…セブンイレブンのお粥、夏だけど売ってるかな…)
最後にエピローグの三日間を読んでいて、温かい涙っていうのかな、悲しいでも嬉しいでもない涙が流れました
とくに、序盤の雫の語り
「だって、私には私しかいないのだ。結婚だってしていないし、子どもだっていない。親に頼ることもできない。旅立ちの服を選ぶのだって、じぶんでやらなきゃ、誰もしてくれない。」
↑を思い出して、なんだか涙が止まりませんでした
この本を読んでいる最中、私は一昨年亡くなった祖父を思い出しながら読んでいました
数年間色んな病気で入退院を何度も繰り返していて、退院する度に
「なに食べたい?」
って聞くと
「ステーキ!」
って返事するおじいちゃんでした笑
ステーキはおやつじゃないから、おじいちゃんにとっての思い出のおやつは何だったのかなぁなんて思いながら、いつの間にかページを進めるのも忘れて色々思い出していました
まぁ、おじいちゃんに思い出のおやつなんでもリクエストして良いよ!って言っても、
「ステーキ!」
って返事してきそうだけど笑
そんな私も、自分にとっての思い出のおやつってなんだろう?って考えてみたら
小学校低学年の頃、おじいちゃんに作ってもらった中華そばを思い出していました
私は幼稚園児の頃からよく祖父母の家に週末お泊りに行っていて、祖母はまだパートで働いていたので、お昼ごはんはよく祖父に作ってもらっていました
お昼ごはんの時間になると、メンマとゆで卵と、チャーシューの代わりにハムが乗っている中華そばを1杯、私の前に運んでくれます
祖父は自分の分は後で作っていたのか、いつも少し遅れて持ってきて食べます
一緒に食べたかった私はスープに浮いた油を箸で合体させながら待っていました笑
…おやつじゃない!(∵`)
読んだ人同士で、思い出のおやつってある?なんて話しても楽しい1冊
自分の人生を振り返るきっかけや、大切な人を思い出す、今後の時間を大切に過ごしたいって思わせてくれる素敵本でした